歩道で親子を故意にはねた男、心神耗弱状態の主張を退けて実刑に

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2015年4月、北海道函館市内の市道で、歩道を歩いていた親子3人をクルマではねて殺害しようとしたとして、殺人未遂などの罪に問われた44歳の男に対する判決公判が19日、函館地裁で開かれた。裁判所は懲役9年の実刑を命じている。

問題の事件は2015年4月10日の午前11時40分ごろ発生している。函館市富岡町3丁目付近の市道(片側1車線の直線区間)を走行中の軽ワゴン車が道路左側の歩道へ乗り上げ、前方を歩いていた親子3人に衝突。事故後にこの様子を目撃して駆けつけた現場に隣接する保育園の関係者や、他車の運転者にも暴行を加え、騒ぎになるとクルマを放置して徒歩で逃げ出した。

警察は後に43歳(当時)の男を殺人未遂容疑で逮捕。検察も同罪で起訴していたが、公判で男は「殺意はなかった」と起訴内容を否認。弁護側は妄想性障害による心神耗弱状態を訴えていた。

19日に開かれた判決公判で、函館地裁の佐藤卓生裁判長は「被告は歩道にクルマを進入させる際に複雑な運転操作を行っており、約20-30km/h程度の速度で衝突するなど、被害者を殺傷させる意図はあった」として、被告の主張を退けた。弁護側の「犯行時は心神耗弱状態だった」という主張も退け、「犯行は無差別的に行われており、悪質」と指摘。ケガの程度が低かったことは斟酌し、被告に対して懲役9年の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

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