NNGの新カーナビプラットフォーム「目指すはナイトライダー」

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NaviFusion Platformを搭載したデモ機
  • NaviFusion Platformを搭載したデモ機
  • 地図データの配信方法として、アメリカでは州単位で行うことも可能。必要な分だけダウンロードするので費用が安くなるメリットがある
  • NaviFusion Platformについて説明するNNG日本オフィスの池田平輔氏
  • ディスプレイオーディオとスマートフォンの連携を実演。地図情報を含め、データはすべてスマホ側にある
  • 利用する検索データを切り換えることも容易にできる。写真では「Here」のデータを使用
  • データを「TomTom」に切り換えた。コンテンツの供給が停止してしまった時の有効策となる
  • 地図更新前は遠回りでルートを引いていた
  • 新しい橋ができたことで効率の良いルートでガイド

ハンガリーに本社を置くナビソフトソフトウェアのグローバルベンダーNNGが19日に発表した最新プラットフォーム『NaviFusion Platform』。来日した取締役会長ヤコブ・ハルペリン氏は日本市場に対する強い意気込みを語ったが、最新プラットフォームとはどんなものなのか。

新プラットフォームの説明に当たったのは、NNG日本オフィスの代表取締役である池田平輔氏。まず、新プラットフォーム開発の背景として「今後、日本のカーナビ市場ではつながる、いわゆるコネクティビテイが欠かせない」と説明した。池田氏は2022年までの10年間に渡る自動車販売台数の推移を示し、「日本の新車市場は成熟期に入っており、カーナビも含め減少傾向は続く」と予測。その中で、「日本国内で販売される新車はインターネットに接続して情報を得るクルマが急速に増え、数年後にはVICSに代表される正確な交通情報、鮮度の高い地図情報への要求度が一段と高くなる」との考えを示した。

その一方で、Googleやアップルがスマートフォンを活用したナビアプリでユーザーから支持を集めていることにも言及。その現状について、「スマートフォンに頼っていけば、ビッグデータをGoogleやアップルに奪い取られていくだけで自動車メーカーにとってメリットはないと考えている」とも述べた。新プラットフォームは、こうした課題を抱える自動車やカーナビメーカーに対するNNGならではの解決策として提案されたというわけだ。

『NaviFusion Platform』はOEM先ごとに独立してカスタマイズできるプラットフォームとして供給される。NNGは従来よりホワイトレーベルとしての立場を貫いており、「起動してロゴマークが出るようなことは一切ない」(池田氏)のだ。具体的には、車載機とスマートフォンで同じデータを使う“コンパニオンアプリ”を走らせ、互いに同期しながら利用する。そのため、『NaviFusion Platform』はスマートフォンを使うクラウドとの連携を前提とする。

ユーザーはスマートフォン内のデータを自宅などWi-Fiがある環境で、通信費を気にすることなく地図データを更新。そのデータは、クルマに乗り込むと自動的に同期が始まって車載機側も更新されるというわけだ。さらに日本語による音声検索に長けたiNAGOの「netpeple assistant platform」と連携して、自然言語による目的地検索を実現。「従来は階層による検索項目の入力が必要だったが、ダイレクトに行えるのでドライバーのストレスは大幅に減る」(池田氏)とする。

また、ディスプレイオーディオとの連携で有効と思えたのがAbalta社の「WEBLINK」連携の実現だ。これまでディスプレイオーディオとスマートフォンの連携では、スマートフォン側のGPSを利用するだけで、車両側の情報はほとんど反映されず位置精度への期待値は極めて低かった。WEBLINKでは、車両側のCAN-BUSデータを取り込めるため、高精度な測位だけにとどまらず、車両と連携した様々な展開も視野に入ってくる。これらが「IT機器と車載機のギャップを埋める重要な役割を果たす」(池田氏)というわけだ。

池田氏は最後に「過去に海外ドラマ『ナイトライダー』があったが、目指すところはあのクルマなんだと思う。自然な対話の中で繰り広げられるようになってこそ、普及は進んでいく。我々としてはこれをゴールとしてレベルアップにつなげていきたい」と説明。現状では、この新プラットフォームのベース部分は既に開発を終了しており、NNGは今後、日本市場を含めた各OEM先へグローバルで採用を働きかけていくことにしている。

《会田肇》

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