中国人民銀行(中央銀行)が11日、人民元 の対米ドル相場の算定方法を変更し、基準値を前日より2%近い元安に設定、12日にはさらに追加で1.6%切り下げた。
これを受けて通貨リンギ相場は11日午後6時時点で1米ドル=4.0080リンギまでリンギ安が進み、アジア通貨危機以来、17年ぶりの安値となった。12日はさらに午後12時時点の 4.0210/4.0150リンギ(中央銀行バンク・ネガラ発表値)まで続落している。リンギ安はマレーシア国債需要に悪影響を及ぼしている。
中国元の切り下げで、域内で通貨切り下げ競争が起こる可能性が出てきた。中国の輸出は低迷しており、元の切り下げは輸出のテコ入れが狙いのようだ。
人民銀の発表を受け域内通貨は対米ドル相場でいずれも下落。シンガポール、フィリピン通貨は5年来、バーツは6年来、リンギとインドネシア・ルピアは17年来の安値を記録した。
マネックス証券の山本雅文シニア・ストラテジストはロイターの取材に対し「元切り下げはこれで終わりではない。通貨切り下げ競争を招来する可能性がある」と述べた。