東洋ゴム、免震ゴム問題で対策の進捗を公表…品質・コンプライアンス調査は年内に完了

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東洋ゴム タイヤ技術センターに設置されている免震ゴム(資料画像)
  • 東洋ゴム タイヤ技術センターに設置されている免震ゴム(資料画像)

東洋ゴム工業は、免震ゴムの性能を偽っていた問題で、対策の進捗状況を公表した。

同社は緊急対策として緊急品監査の実施、品質・コンプライアンス調査委員会の設置・調査を、継続対策として再発防止に向けた組織体制への見直し、不正を起こさない仕組みの構築、企業風土改革、再発防止策の徹底などを実施するとしていた。

緊急品質監査の実施では、6月5日までに国内12拠点、7月14日までに海外11拠点で、83品種についてそれぞれ監査を実施し、7月29日の取締役会で結果を報告した。全23拠点・83品種について「正規品が出荷されていることを確認した」としている。ただ、工程管理プロセスの再整備など、一部で改善が必要な不具合が判明したため、これらについては改善した上で、年内をめどに再確認を実施する予定。

品質・コンプライアンス調査委員会は6月12日に発足、6月24日から7月24日にかけて国内外の合計4拠点で調査を実施した。今後国内10拠点、海外9拠点でも調査を実施し、年内に完了する予定。

再発防止に向けた組織体制では、チーフコンプライアンスオフィサーの配置と。コンプライアンス推進室の設置を完了、8月にCCOの諮問機関として「新コンプライアンス委員会」を設置する。監査役への報告に加え、外部法律事務所などによる監査機能を加える。

本質保証部を「品質保証本部」に格上げして権限を強化した。免震ゴムを製造・販売するダイバーテック事業部門は再編し、横断的相互チェック体制の強化、人事ローテーションの活性化を進める「テック戦略企画室」を新設する。

ものづくりの不正を起こさせない仕組みの構築では、品質・コンプライアンス調査委員会による調査と並行して2016年度の運用体制を検討する。現行の内部通報制度の活用も促進していく。

8月中に全社共通の事業評価ガイドラインを確定し、運営に入る。

企業風土改革では、経営幹部やCCOが拠点を訪問して直接対話を継続するとともに、新経営陣のもとで風土改革委員会が活動するための準備に入る。

免震ゴムの交換改修では、最初に発覚した55棟のうち、現在36棟で交換免震材料が決定し、材料発注と施工計画の立案に移行中。8月中旬から工事中物件を中心に着工がはじまり、年内には10棟以上交換工事の着工を見込んでいる。残り19棟でも、他社品への交換が検討されており、準備対応を協力する。

また、その後に発覚した99棟の進捗状況では、現在、具体的な交換工事に向けて協議を進めており、工事中物件を中心に、年末から年明けにかけ、数物件の交換工事着工を見込む。第三者委員会報告を受けた国土交通省の公表見解をもとに、免震材料決定、材料発注(製造)、施行計画と具体的な進捗を加速する。

《レスポンス編集部》

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