ナジブ・ラザク首相は26日、与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)の次期党役員選挙を18か月延期すると発表した。
表向きは各議院・党員が実績を積んで次期総選挙に注力するためだが、1MDB問題をはじめとする党内問題の先送りに過ぎないとの冷ややかな声もきかれる。 3年に一度のUMNO党役員選挙は前回、2013年10月に行なわれており、順当なら2016年10月に行なわれるはずだった。今回の延長決定で、2018年4月までにおこなわれることになる。第14回総選挙は2018年半ばまでに行なわれなければならないため、2018年初頭に総選挙を行えば党役員選を後回しにすることができる。 UMNOの党役員選挙は、マハティール元首相やアブドラ前首相時代にも延期されており「よくあること」(マハティール元首相)だが、UMNO党内でのナジブ首相への批判の高まりもあって、延期せざるを得なかったと指摘する声も多い。ただ1MDBなどの諸問題から逃げているという印象が強まって、マハティール氏ら反ナジブ派を余計に勢いづかせるだけとの見方もある。 党内からも批判の多いナジブ首相は、総選挙前にこれ以上の対立・混乱を避けたいのが本音。反ナジブ論の火種となる党役員選挙はなるべく先送りしたい考えだ。こうしナジブ氏の意向を見越してか、マハティール元首相寄りとみられるムヒディン・ヤシン副首相は先ごろ「党役員選を延期すべきではない」とクギを刺している。