ホンダは、4月上旬発売予定の軽ミッドシップスポーツ『S660』のプロトタイプ試乗会を実施。60km/hほどのスピードでも「速いっ」と感じるワクワク感や、思い通りに曲がれる楽しさといった「非日常的なドライバビリティ」を、サーキットを3~4周しただけで体感できた。
エンジンスタートボタンを押す前に、まず外観から見ていこう。1991年に登場した『ビート』(当時軽規格:全長3300×全幅1400×車高2000mm)と比べると、その後の軽規格サイズが拡大されたこともあり、「大きくなったな」と感じたのが初めて向き合ったときの印象だ。
乗り込んでみると、前方視界の広さに驚く。リアに向かって斜め上にのびるウェストラインのせいか、ドアの“壁”は高く感じるが、圧迫感はない。1.6~2.0リットルほどのスポーツカーのコックピットに座っているような気分にもなり、軽自動車であることを忘れてしまうほどだ。
ルーフは、ビートのようにロックをはずして、シート後ろに手動でたたむタイプではなく、前中央ひとつ、左右ひとつずつのロックをはずして、パタパタと手動で丸めていく“巻き寿司タイプ”。右から巻いて、左へ移動してまた巻いて、はずしたルーフはフロントフードの収納スペースに入れるという流れで、ルーフの着脱のためにクルマの前後左右を動くことになるが、「これもS660ならではのコミカルな作業」と受け止めた。
エンジンスタートボタンを押し、ロールバーの直後からエンジンが回り始めるのを背中で感じる。まずはルーフを付けたままサーキットへ。今回の試乗会では、その6MTとパドルシフト付きCVTの“走り”を体感することができた。