タクシーで死亡ひき逃げ、公判を欠席し逃走していた男に実刑

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昨年9月、埼玉県川口市内でタクシーを運転中に死亡ひき逃げ事故を起こしたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失致死)などの罪に問われた64歳の男に対する判決公判が9日、さいたま地裁で開かれた。裁判所は懲役1年8か月の実刑を命じている。

問題の事故は2014年9月6日の午前0時25分ごろ発生している。川口市末広2丁目付近の市道で、酔い潰れて路上で寝ていた73歳の男性に対し、進行してきた車両が衝突。男性は死亡したが、車両はそのまま逃走した。

死亡ひき逃げ事件として捜査を開始した警察に対し、後に現場へ戻ってきた女性が「自分の乗っていたタクシーが事故を起こしたと思う。運転手にも言ったが無視された」などと証言。警察は後に同市内に在住する64歳の男をひき逃げ容疑で逮捕。検察が同罪で起訴していた。

被告の男はこれまでに公判を3回欠席。うち2回は判決公判で、言い渡し期日が延期されていたが、今月2日に逃走先の大阪府内で警察に出頭。裁判所が勾留を決定するなど、異例の事態となっていた。

9日に開かれた判決公判で、さいたま地裁の松岡幹生裁判官は「被告は運転者として基本的な注意義務を怠り、事故を起こした」と指摘。その上で裁判官は「被告は事故後、ドライブレコーダーのメモリーカードを抜き去って、事故の隠蔽を図るなど悪質」とした。

また、判決公判前に逃走していたことにも触れたが、最終的には出頭したことを「罪を償おうとする姿勢を見せた」と判断。懲役3年の求刑に対し、懲役1年8か月の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

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