D2Cグループのデジタルプランニングプロジェクト「ツイストラボ」は3月5日、「都電貸切アイデア発想ワークショップ」を実施。参加者たちは、「インサイト」と「モチーフ」の“掛け算”を意識し、「電車の待ち時間を有効活用する」という課題について、アイデアを出し合った。
今回のワークショップで講師を務めたのは、「クライアントにコネのあるバカ息子を1人雇うぐらいなら、プレゼンボードを1万枚買った方がましだ」「広告の競合は、他社の広告ではない」など、ユニークな企業理念で知られるデザインバーコードの鈴木悠平さんや、「思いついたら、やってみる」をコンセプトとするツイストラボの新野文健さん。鈴木さんは、都電の貸切電車に乗る前に、参加者たちにこうアドバイスした。
「ある課題に対し、インサイトを見つけてアイデアへジャンプする。始まりはインサイトからで、じゃあ、いいインサイトってなんだろう? と考えてみる。いいアイデアには、『なるほど!』と共感できるインサイトがある。それが人の心に刺さるアイデアにつながっていると思う」
ここでのインサイト(insight)とは、「自分の記憶のなかに眠っているキモチやホンネのこと。消費者インサイトというと、消費者のなかにある『思わずその商品が欲しくなる“心のボタン”と例えられる」(同社)という。
この“いいインサイト”を見出すポイントとして鈴木さんは「モノマネもコスプレもやる。同じ食生活を体験したり、済んでいそうな場所を散歩するなど、ターゲットとなる人物になりきる」「なんで? どうして? と問い続け、実際にターゲットに近い人物にヒアリングする」と話していた。
そして鈴木さんは出てきたインサイトをアイデアへとジャンプさせるときに、「周辺のモチーフを掛け合わせてみてほしい」とアドバイス。そのモチーフを探すポイントについては「マインドマッピングを描く」「部屋から出る」「雑誌とブレストする」などをあげていた。
こうしたアドバイスを受けながら、「では部屋を出て、都電のなかで考えよう」ということで参加者たちは都電貸切電車に乗り込むことになる。参加者たちは、配布されたミッションシートのインサイト枠に「電車って退屈」「移動中に打合せを済ませたい」などといった印象を次々と書き込んでいった。このあと、車内でアイデアを出し合うのだが、なかには全員が笑ってしまうほどの奇抜な構想も飛び出した。
新野さんは、「ツイストラボのこうした活動を通じ、既存サービスの改善や、クリエーティブとテクノロジーの融合、これまでにない新たな広告づくりなどの実験を重ねつつ、多種多様な才能が集まり、社会貢献できるような新時代ラボを目指す」と話していた。