【鈴鹿8耐】世界一過酷、だからこそドラマがある…真夏のスプリント耐久

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真夏の鈴鹿で開催される恒例の2輪モータースポーツの祭典、「鈴鹿8耐」。バイクに興味がない人でも、鈴鹿8耐の名を知っている人は多い。4輪のF1と並んで、鈴鹿サーキットでのレースの中で、もっとも有名なひとつと言える。では、なぜそれほどまでに有名なのか、そもそもどんなレースなのだろうか。

先頃、MFJ(一般財団法人 日本モーターサイクルスポーツ協会)から全日本ロードレースJSB1000クラスの暫定年間エントリーリストが発表されたが、これを機に「鈴鹿8耐」というレースを改めて探ってみよう。


◆世界一過酷な8時間のスプリント耐久レース

「8耐(ハチタイ)」こと「鈴鹿8時間耐久ロードレース」(※)は、文字通り鈴鹿サーキットを8時間のあいだ走り続け、もっとも周回数が多かったチームが1位になるという耐久レースだ。ちなみにスプリントレースは、限られた距離をいかに短時間で走れるかを競うもので、どたらもスピードが要求されることに違いはないが、耐久とスプリントでは計る物差しが違うと言うことになる。

2輪の世界耐久レースは「FIM世界耐久選手権」というシリーズ戦が毎年開催されており、8耐もその1戦に組み込まれている。ただし、8耐を単にシリーズ戦のひとつという枠で捉えることはできない。

※レースの正式名称は「2015 FIM世界耐久選手権シリーズ第3戦 "コカ・コーラ ゼロ"鈴鹿8時間耐久ロードレース 第38回大会」

「FIM世界耐久選手権」の他のレースには、ル・マン24時間(4輪のレースとは別)やボルドール24時間など、より長時間のレースがたくさんある。それでも鈴鹿の8耐が特別なレースであるのは、8時間という時間が、絶妙な意味を持っているからだ。もともと草レースのような雰囲気で始まった8耐だが、人気が出て世界中のトップライダーが参戦するようになると、そのラップタイムはスプリントレースのそれに限りなく近づいていった。

スプリントのペースで耐久をやる。それは24時間なら絶対に不可能だ。でも8時間なら可能か? もちろん8時間でも難しいのだが、それでもその難しいことをやらなければ優勝できない。ここで誕生したのが「スプリント耐久」という造語なのだが、このようにして8耐は世界で最も過酷な「8時間のスプリントレース」となった。毎年、8耐では最初の1ラップ目から全開でのトップ争いが繰り広げられ、ペース配分などという言葉とは無縁。こんな常識破りのエキサイティングな耐久レースはほかにない。


◆今も昔もトップライダーが集結する真夏の祭典、それが8耐

8耐には「FIM世界耐久選手権」のシリーズ戦を戦うチームももちろんやってくるが、主役はむしろこの8耐だけに的を絞ってスポット参戦するチームやライダーだ。特に1980年代は世界最高峰の2輪レースであるGPレースを戦う世界のトップライダーがこぞって8耐を走り、それがこのレースの大きな魅力になっていた。現在ではMotoGPを戦うライダーが参戦することは少なくなったが、代わって日本人のエース級ライダーが熾烈な争いを繰り広げている。単なるシリーズ戦のひとつではないという8耐の独自性は全く揺らいでいない。

8時間のスプリントと言われるほど過酷な8耐だが、その苛酷さをさらに加速させているのが真夏の暑さだ。ほかの耐久レースのほとんどが比較的に涼しいヨーロッパで行われるなか、8耐だけが極端な高温多湿の環境、真夏の日本で開催される。この暑さはライダーにも、マシンにも、そして観客にも試練となる。「見てる方も耐久」と言われる所以だ。そしてこの暑さが8耐に様々なドラマをもたらしたことも事実である。

真夏の祭典と言われる8耐は、レースであると同時に日本のライダー全体のお祭りでもある。レースウィーク中は8耐と並ぶ名物レースで国内ライセンスライダーが多数集う「4耐」が開催されるほか、サーキットとその周辺で様々なイベントが開催され、日本中から集まったライダーやバイク好きの家族連れで賑わう。レースウィークの観客動員は毎年20万人前後で推移しており、2輪のレースイベントとしては日本最多。レースであると同時にみんなが楽しめるお祭りであることも、8耐の魅力だ。

今年の8耐は7月23日に開幕し、翌24日に予選。25日の鈴鹿4時間耐久ロードレースやトップ10トライアルを経て26日11時30分、ル・マン式で8時間の長丁場レースがスタートする。
《佐久間光政》

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