シングルファーザー辻仁成氏…育児の参考にしたのは「クレヨンしんちゃん」

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トークセッション中の辻氏と小竹氏
  • トークセッション中の辻氏と小竹氏
  • にこやかに話す、働くお父さん代表の辻仁成氏
  • フリーランス保育士の小竹めぐみ氏
  • スマホとつながる動物型おもちゃ「TOYMAIL」
  • 「TOYMAIL」を手にする辻仁成氏
  • B&Bのエントランス前
  • トークセッションの会場
  • 「TOYMAIL」HEARプロジェクト ホームページ

 トークイベントなどを積極的に行っている書店の下北沢B&Bで2月24日、イベント「HEAR(ヒアー)子どもの声を聴こう」が行われた。同イベントには、芥川賞作家で詩人・ミュージシャン・映画監督・演出家と多方面で活躍する辻仁成氏が「子どもおもいの働くお父さん」代表として登場。フリーランス保育士として、子どもがよりよく育つための環境づくりを進めている、こどもみらい探求社共同代表の小竹めぐみ氏を相手に、子連れの保護者らを前に、子どもとの付き合い方、コミュニケーションなどについて語った。

 このイベントは、子ども支援専門の国際組織である公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが進める「HEARプロジェクト」を広めるために企画されたもの。子どもの声を聴き、子どもに寄り添い、世界中の子どもたちを支援することを呼びかける同プロジェクトに賛同し、子どもの声を聴くことの重要さを広めていくことが目的だ。

 「HEARプロジェクト」では、「身近な子どもの声を聴いていますか」と問いかける意味を込め、スマホとつながる動物型おもちゃ「TOYMAIL」を採用している。この「TOYMAIL」は、子どもがおもちゃにしゃべりかけると、保護者のスマホに録音された声が届き、保護者が話した言葉はおもちゃの声になって子どもに届くという、新しいコミュニケーションツール。「HEARプロジェクト」サイトから購入でき、売上の一部はセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの活動を通して、支援を必要とする世界中の子どもたちの生活に役立てられる。

 「HEARプロジェクト」運営スタッフによる活動紹介のあと、辻仁成氏と小竹めぐみ氏によるトークセッションが行われた。フリーランス保育士の小竹氏が「育児において、父親は弱者かもしれません。特にシングルファーザーは大変じゃないですか。」と尋ねると、辻氏は「たしかに男手で育てるって大変で、昨年夏に離婚してからは特にがんばらなければと思ってやってきたのですが、子どもが11歳なのでこの子が世に出るまでと思うと、まだ10年以上。働いて学費を出さないといけないし、子どものごはんを毎日作らないといけない。飲み会でもいいのですが、シングルファーザーの親父たちが集まって、お互い励まし合うような場所があってもいいのかもしれません」と答えた。

 小竹氏が「高校生や小学生を問わず、やりたいことがない、好きなことがないという子が意外に多いのですが、子どものちょっとした行動にも関心をもったり、大人がきちんと寄り添わないと、やりたいことがないといったことになっていくのかなと思います」と語ると、辻氏は「うちの子は何がやりたいとか、どこへ行きたいとか、結構はっきり言います」と語り、さらに続けた。「うちにいるときは、とにかく会話をするようにしています。学校から帰ってきて、おやつと食事を食べて寝るまで、毎日3時間くらいは、子どもと会話をしています。食事をしながらしゃべって、話が弾むと3時間半くらい会話をしていますね」。

 さらに、辻氏は「離婚後、子どもが幼児化するというか、赤ちゃんにみたい急に抱きついてきたりすることがあって気になっていたんです。もともとは、しっかりした子なのですが。で、ある先生と対談したときに『愛着障害』というのを教えてもらい、親が離婚したときなどに子どもが幼児化することがあると知ったのです」と話した。

 また、辻氏は自宅の廊下で、廊下サッカーというちょっとした遊びを親子でしているという。親子で体を動かすことで、子どもが楽しそうにしているだけでなく、よく笑うようになった、とも語る。「離婚して、まだ11歳で、しかも子どもの意思ではなくパリに住んでいて、ストレスがたまっていると思うんです。だから、ちょっとしたスポーツのようなものですが、10点ゲームの廊下サッカーをすごく楽しんでくれているみたいです」

 小竹氏は「遊ぶとバカになるから」と話す子どもに出会ったことがあるそうだが、おそらく、保護者の影響であろう。親子でたっぷり会話をし、一緒に体を動かす辻氏の話を聞いていると、子どもに寄り添う大切さをあらためて認識する。育児について何かを参考にしたかと問われた辻氏はこう答える。「『クレヨンしんちゃん』と『ドラえもん』に登場する家族は理想ですね。特に『クレヨンしんちゃん』のしんちゃんと、お父さんの野原ひろしの関係を参考にしています。僕はもともと「べらんめえ」調のキャラクターではないのですが、野原一家は僕にとって理想の親子関係なので、しんちゃんとお父さんを親子でまねしています」。

 親子で語り、親子で遊ぶ重要性についておおいに考えさせられるトークセッションであった。

「HEAR 子どもの声を聴こう」辻仁成氏の理想はクレヨンしんちゃん親子

《大倉恭弘》

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