イスラム原理主義政党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)の精神的指導者、ニック・アブドル・アジズ・ニック・マット元クランタン州首相(84)が12日、自宅で亡くなった。
同氏の死去にともない、近くクランタン州議会チェンパカ選挙区で補欠選挙が行なわれることになる。
ニック・アジズ氏はクランタン州出身。宗教学校で教師をしていた同氏は、1967年にPASに入党。同年の総選挙で下院議会議員に初当選した。1986年にはクランタン州議会に転じて当選。1990年10月に同州首相に就任し、2013年5月まで23年にわたって務めた。
強硬なイスラム主義者として知られ、「口紅や香水をつけなければレイプされるリスクが低下する」といった女性に対するイスラム保守的な言論で物議を醸す一方、非イスラム教徒による「アラー」使用の是非が議論になった際には、「イスラム教ができる前からあった言葉であり使っても問題ない」と異教に対する寛大な部分をみせ、非イスラム教徒におけるPAS支持者を増やすことに貢献した。