危険ドラッグ吸引での死亡事故、被告に懲役12年の実刑判決

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昨年1月、香川県善通寺市内の県道で危険ドラッグ吸引後に軽乗用車を運転し、下校中の小学生をはねる事故を起こしたとして、危険運転致死罪に問われた30歳の男に対する裁判員裁判の判決公判が26日、高松地裁で開かれた。裁判所は懲役12年の実刑を命じている。

問題の事故は2014年1月29日の午後3時10分ごろ発生した。善通寺市木徳町付近の県道(片側1車線の緩やかなカーブ)を走行していた軽乗用車が、左カーブを曲がりきれずに対向車線側へ逸脱し、下校のために道路右側の路肩を歩いていた11歳の女児に衝突。クルマの直撃を受けた女児は頭部強打が原因で事故から9日後に死亡した。

クルマを運転していた同市内に在住する29歳(当時)の男は酩酊状態。事故当初の段階で何らかの薬物を使用していたとは推測できたものの、成分についてはわからないままだったが、同年5月に危険ドラッグを使用していたと断定。すでに自動車運転過失致死罪で起訴されていたが、検察は危険運転致死罪への訴因変更を裁判所に求めていた。

26日に開かれた判決公判で、高松地裁の野村賢裁判長は「被告は事故の直前に危険ドラッグを吸引し、その影響で体が硬直し、ハンドルやブレーキの操作ができない状態となった」と認定した。

その上で裁判長は「今回の事故は危険運転の類型の中では重い部類に属している。被告は危険ドラッグの影響で正常な運転ができなくなることを明確に認識しており、より強い非難に値する」と指摘。懲役15年の求刑に対し、懲役12年の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

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