20日に2015年度財政補正予算案を発表したナジブ・ラザク首相は、財政赤字目標を当初の国内総生産(GDP)比3.0%から3.2%に引き上げた。
昨年10月の予算案発表の際には、2014年の財政赤字比率を3.5%と予想していた。
原油安による歳入減を受けたもので、補正予算では開発支出を据え置いた上で、経常支出を55億リンギ削減するとしている。今年の原油価格については1バレル=50米ドルに予想を引き下げた。
ナジブ首相はまた、今年のGDP成長予想を先の5.0-6.0%から4.5-5.5%に下方修正した。第11次マレーシア計画(11MP、対象期間:2016-2020年)については、5月に詳細を発表する。
ナジブ首相は、1997-1998年のアジア通貨危機や2009年のリーマン・ショックの様な危機にあるわけではないとした上で、アジア通貨危機の際のような景気刺激策をとる必要があると言明。しかし経常収支は黒字を維持していると強調した。