帝国データバンクが発表した2014年度(1月1日~12月31日)の全国企業倒産集計によると、倒産件数は前年度比11.1%減の9180件となり、8年ぶりに1万件を割った。
金融緩和や財政出動により、企業の資金調達環境など経営環境が改善。駆け込み需要や公共工事の増加により、建設業(1859件)が前年比20.8%の大幅減少となった。
負債総額は同32.3%減の1兆8678億円と、戦後最大となった2000年の10分の1以下になった。負債トップは、エヌ・エス・アール(1月、東京都)の1650億円だった。
業種別に見ると、7業種中6業種で前年度を下回った。なかでも建設業(1859件、同20.8%減)、製造業(1225件、同16.1%減)、卸売業(1381件、同14.4%減)の3業種は前年比2ケタの大幅減少となった。建設業は6年連続の前年比減少で、2000年以降で最少を記録した。
主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は7593件(前年8520件)となり、5年連続で前年を下回った。構成比は82.7%と前年(82.5%)を0.2ポイント上回った。「円安関連倒産」は345件判明、前年(130件)の約2.7倍に急増。高齢化を背景に「経営者の病気、死亡」(208件、前年209件)が高水準で推移している。
負債額別に見ると、負債5000万円未満の小規模倒産は5069件と、前年(5619件)を9.8%下回ったものの、構成比は55.2%と全体の過半数を占めた。一方、負債100億円以上の大型倒産は8件(前年20件)にとどまり、2000年以降で最少となった。
地域別に見ると、9地域中7地域で前年を下回り、なかでも北陸(293件、前年比20.8%減)、中部(1281件、同17.4%減)、関東(3358件、同13.1%減)の3地域は前年比2ケタの大幅減少となった。一方、四国(180件、同7.8%増)、東北(358件、同1.1%増)の2地域は前年を上回った。
態様別に見ると、破産は8605件(前年9731件)と前年比11.6%の減少となったものの、構成比は93.7%と高水準が続いた。このほか、民事再生法(291件)、会社更生法(2件)も前年を下回った一方、特別清算(282件)は前年を上回った。