セダンが『Sクラス』の縮小版なのは初代W201(190シリーズ)以来の作法のようなもの。対して新型ステーションワゴンは随分とスタイリッシュになり、さながら“プチCLSシューティングブレーク風”に生まれ変わった。
とはいえ実用重視なのは変わらない。ラゲッジスペースには裏がラバー製リバーシブルのフロアマットが備わるほか、後席は40:20:40の分割可倒式に。後席は背もたれ肩口かリヤゲート側のスイッチを指先で操作すれば倒せる。リヤゲートはハンズフリーの自動開閉機構付きで、“閉じ音”も電動式だから静かでいい。5.1mの最小回転半径の小ささもありがたい。
試乗車は4気筒の1.6リットルターボ(7速AT)に、18インチタイヤ付きスポーツサスペンションを組み合わせた仕様の「C180」。タイヤの大きさを実感する足は、最初は締め上げられた印象だが、ストローク自体は理不尽に制限されておらず、グレード名の“スポーツ”が納得できる走りを見せる。エンジンは積極的なアクセルワークで走れば、パワー、エンジン音とも、なかなかスポーティに。
また非エアサス車でも「アジリティセレクト」でステアリング/エンジン&トランスミッション/アイドリングストップ/エアコンの特性切り替えが可能。レポーターは個別設定モードを活用し、通常走行時はパワートレーンは“ECO”にし、ステアリングのみ“SPORT”を選び、やや手応えのある操舵力を味わいながら走りを楽しんだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。