ニフティは2日から、グループ内で情報を共有するためのシンプルなクラウド対応メモ/ToDoアプリ、「Frognote(フロッグノート)」iOS版を提供している。実際に使ってみて、その使い勝手や、EvernoteやWunderlistといった既存のメモ共有アプリとの違いを探ってみた。
ニフティのFrognoteは、家族や友人などのグループ内で毎日の「買いものリスト」や「すること」など、メモやToDoリストを共有できる無料アプリだ。共有された情報は、グループメンバーの誰かによって更新されると、すぐに他のメンバーのモバイル端末に通知され、全員が常に最新の情報を共有することができる。
EvernoteやWunderlistも同様の共有機能を持つが、Frognoteの売りはそのシンプルさ。プッシュ通知機能や、クラウドとの自動同期機能などを備えながらも、OS標準のアプリのようなシンプルな使いやすさにこだわったという。
「毎日の作業を行うワークスペースのすべてを一ヶ所に集約」と謳うのがEvernoteだ。簡単なリストから大規模な調査プロジェクトまで、様々な原稿を作成でき、ウェブ上の記事をクリップしたり、手書きメモを保存したり、スナップ写真を撮影したりする機能もある。コンテンツの更新はすべてのネット端末で同期できる。
Wunderlistは「リスト」によって情報を共有する。思いついたこと、やるべきこと、見るべきもの、あらゆるものリスト化し共有することで、例えば買い物、プロジェクト、旅行計画などに利用できる。コメント機能で誰かのToDoについて話し合い、議論を1ヵ所にまとめられる。世界のあらゆるリストが見える「パブリックリスト」機能もある。こちらもリアルタイム同期だ。
一方、生活シーンに密着し、誰でも手軽に使えることを目指し開発されたFrognoteは、テキスト形式の「メモ」と「チェックリスト」(ToDo)の2種類の記入フォームのみ設定されている。コメントはメモだけ、チェックリストで出来るのは項目追加とチェックだけだ。機能を絞り、操作を最大限シンプルにすることで、生活シーンに密着して、誰でも手軽に使えるツールを目指したという。ユーザーの世代や属性を選ばない、シンプルで簡単なツールアプリを多くのユーザーに使ってもらい、さらにニフティが提供するさまざまなサービスに興味を持ってもらいたい、というねらいもある。
ニフティクラウドへのユーザー登録(無料)を済ませ、さっそくFrognoteを使ってみる。アプリは無料、使用料も無料だ。目的別にグループを作成、メンバーを招待する。もちろんメンバー候補もFrognoteユーザーであることが前提だ。各グループ内で「メモ」と「チェックリスト」を生成することになる。誰も招待せず、自分用の覚え書きとして使ってもよい。
チェックリストは使い方がシンプルでわかりやすく、利用機会が多そうだ。チェックリストでは、チェック項目をひとつずつ入力すると、チェックボックスのついた箇条書き形式のリストが生成される。日常のToDoや“買いものリスト”などに便利だ。チェックを付けると「完了」となり非表示に。画面には常に未完了のアイテムが並ぶ。ボタン操作で「完了」アイテムを再び表示することも可能だ。重要なアイテムには印を付けて目立たせることができ、他のグループのチェックリストにアイテムをコピーしたり移動したりもできる。
例えば週末、年末セールでにぎわう商店街やショッピングモールへ家族・グループで出かけ、現場で別行動して買い物を分担するときなどにFrognoteが活躍する。事前にFrognoteでチェックリスト「きょう買うもの」を生成し、食品・雑貨・衣料などリストアップする。そして各人がFrognoteを見ながら買い物をすれば、夫と妻が別々に動いても買いそびれや、「同じものを買ってしまった!」といったミスも防げる。新たに買うべき物、買いたい物が見つかった時の打ち合わせもスムーズだ。
また、グループ旅行の計画を共有する場合などもFrognoteが役立つ。行きたいお店や観光スポットなどをメンバーみんなで出し合い、更新していくうちに、いつしかオリジナルの「旅のしおり」ができてしまうという具合だ。
いっぽうメモは、グループや部署などの“打ち合わせ”にも役立つ。共有したい相手ごとにグループをつくることができるFrognoteを使い、会議室で行なうほどではない内容の検討などは、このメモ上で更新していくという手もある。
リストとその関連機能を売りとしたドイツ生まれのWunderlistや、画像や音声といったファイルもアップロードできるEvernoteがあるいっぽう、シンプルなデザインと直感的な操作で、誰でもかんたんに使える“敷居の低い”クラウドメモがFrognoteだ。