豊田自動織機は、新開発の燃料電池自動車(FCV)用エアーコンプレッサー、水素循環ポンプ、水素循環ポンプ用インバーターがトヨタ自動車の『MIRAI(ミライ)』に採用されたと発表した。
FCVは始動後、酸素と水素をFCスタック内で反応させる。エアーコンプレッサーはアイドリング時の小流量から加速時の大流量まで、効率よく大気を吸引・圧縮することが求められる。
今回開発したエアーコンプレッサーは、世界初となる6葉ヘリカルルーツ式を採用し、独自のロータ形状を用いることで、空気流量の変化に対応しながら高効率で空気を圧縮することが可能になり、車両の加速性能と航続距離の向上に貢献する。このエアーコンプレッサーは、空気流路に様々な消音構造を採用、低ノイズ・低振動を実現した。
水素循環ポンプは、発電時に未反応の水素と発生する水を効率よく循環させる。今回開発した水素循環ポンプは、FCスタックと一体化することで、モーターの放熱性を向上させて、小型軽量と高効率を実現した。発電時、FCスタックで発生する水がポンプ内に残って、極低温時に凍結して始動を妨げないよう、圧縮構造を最適化、低温起動性も確保した。
水素循環ポンプ用インバーターは、水素循環ポンプの駆動の際、電力消費のロスを最小限にして、効率よく制御する。今回開発した水素循環ポンプ用インバーターは、既に量産化されているカーエアコン用コンプレッサーのインバーター技術を活用することで、高効率と低コストを実現したとしている。
MIRAIには、このほか同社製品としてカーエアコン用電動コンプレッサー、昇圧リアクトル、DC-DCコンバーターが搭載されており、今後もFCV用部品の需要拡大に対応していく。