ツール・ド・フランスがパリにもたらしたものと、東京の課題

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ツール・ド・フランス2014
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  • 【山口和幸の茶輪記】ツール・ド・フランスがもたらすものは経済効果と人々の幸せ
  • フランス観光開発機構のフレデリック・メイエール氏(左)とインタビュー役の山口和幸
  • フランス観光開発機構・フレデリック・メイエール在日代表
フランス観光開発機構のフレデリック・メイエール在日代表が、世界最大級のスポーツイベント、ツール・ド・フランスが備えた意義とそこから世界に発信されるメッセージ性を語るとともに、東京をはじめとした大都市での自転車通行問題にフランスの成功例を交えて言及した。

「ボランティアをはじめとしたコース沿道の市民のちからを活用することでツール・ド・フランスは円滑に運営され、その恩恵として町が活性化する」とメイエール氏は分析する。

ツール・ド・フランスの運営の一翼を市民が担うことで一体感と充実感を味わうことができる。世界に誇れる盛大なお祭りを盛り上げようと協力することで連帯感が生まれる。海外の選手とふれあうことで、これまでにない魅力を知ることもできるという。

「ツール・ド・フランスを迎えるということは多大な投資が伴う」としながらも、「ひとつの祭り以上の経済効果が発揮される」と分析する。テレビメディアとの協力、インターネットをはじめとするソーシャルネットワークの活用などは不可欠だが、開催地のポジティブな面が世界中の人に発信されることが意義深い。

「テレビ放映の効果もあってスポーツは広く一般の人たちにとって身近な存在になった。健康志向もあってその興味は次第に比重を高くしていく。とりわけ自然の中で行われるランニング大会や自転車ロードレースなどは今後も注目されていく存在だ」

「フランス人が自転車好きな理由は2つある。空気を汚さないエコロジーな乗り物で、ペダルをこぐことで健康にいいこと。もうひとつはフランス政府が地方と一体となって自転車道の整備に力を入れていること。全国には総距離7000kmのサイクリングコースが整備されている」

自転車人気にさらなる拍車をかけたのが、広告代理店が運営するパリのレンタル自転車システム、ベリブの登場だ。なんといっても利用料が安いのが魅力。パリだけでなくフランスの他の都市でもこのベリブ方式が次々に採用されている。

行政によってきちんと整備されたサイクリングルートを走れば、さまざまな観光地に足を運ぶこともできる。ぶどう畑を突っ切ったり、運河沿いに走ったり。世界中からやってくるサイクリストが利用しやすいように、たとえばサイクリストに適したホテルなども多くなってきた。

「東京では専用道を整備することも必要だが、他の利用者への配慮や交通ルールの啓蒙などが必要。パリでベリブを導入する際にも、そんなことは不可能だと議論されたが、幸いにもパリは東京ほど狭くないので、レーンを拡張したり専用道を作ることができた。東京でも専用道の整備が望まれるが、まずは調査をして計画を立てることが重要」

ツール・ド・フランスもテレビ放映によって身近な関心事になった。フランス人にとってツール・ド・フランスは神聖化されたもので、出場選手は真摯に戦い、ゴールを目指すところにドラマがある。またチームとしての参加により、エースに捧げる犠牲の精神も尊敬される。ツール・ド・フランスが自転車の崇高さを高める存在である。

イベントが自分の町に来るという誇り。フランスの小都市は世界規模で発信するようなお祭りはないので、ツール・ド・フランスが自分の町を通ってくれることだけで、メディアが自分たちの町を紹介してくれる。その結果として多くの人たちに認知され、訪れてくれる人が増える。ツール・ド・フランスが各地にもたらす経済波及効果だ。

「フランス観光開発機構としてこれからも自転車を通して、より多くの人が幸福を感じてもらえるような提案をしていきたい」

【山口和幸の茶輪記】ツール・ド・フランスがもたらすものは経済効果と人々の幸せ

《山口和幸@CycleStyle》

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