内部告発サイト、ウィキリークスが、マレーシアやインドネシア、ベトナムが関わる数百万ドル規模の汚職事件にナジブ・ラザク首相やマハティール・モハマド元首相が関与していることが明らかになった。エッジ・マレーシアが伝えた。
その他、アブドラ・アハマド・バダウィ前首相やダイム・ザイヌディン元財務相、ラフィダ・アジズ元通産相、サイド・ハミド元外務相などマレーシアの複数の大物政治家が関与していると告発している。
ウィキリークスによると、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)の子会社、セキュレンシーと紙幣印刷会社のノート・プリンティング・オーストラリアが関わる贈収賄事件で、1999年から2004年にかけて、合成樹脂を使用したポリマー紙幣の印刷契約に関与して2社の社員がマレーシアとインドネシア、ベトナム政府の高官に対して賄賂を支払ったという疑惑が持ち上がっている。ポリマー紙幣はRBAが開発したもので、マレーシアでは2004年に発行が開始された。
豪州政府は、同国の国際関係にひびが入ることを恐れてこの汚職事件の報道禁止命令を出したという。ウィキリークスはこの汚職事件に関する報道差し止め命令のコピーを入手したという。
ウィキリークスの創設者であるジュリアン・アサンジ氏は、豪州政府による、汚職事件の報道を禁止し国民や世界を欺いた行為に対して豪州政府を厳しく批判。ジュリー・ビショップ外相は説明するべきと指摘した。
ポリマー紙幣を巡る贈収賄疑惑は2009年に浮上し、豪州警察とマレーシア汚職摘発委員会(MACC)がそれぞれ捜査を開始。2010年、MACCは5リンギのポリマー紙幣印刷契約に関与する3人を、セキュレンシーから賄賂を受け取った疑いで逮捕した。
実業家を含めた3人は、マレーシア中央銀行バンク・ネガラにポリマー紙幣を供給する契約を、セキュレンシーとノート・プリンティングのために確保するため1130万リンギの賄賂を受け取ったとして起訴された。
アブドラ元首相は2011年、この贈収賄事件への一切の関与を否定する発言を行っている。