歩行者や警官を次々と…脱法ハーブ原因の事故、実刑へ

自動車 社会 社会

昨年9月、福岡県春日市内で脱法ハーブを吸引後に乗用車を運転し、酔い潰れて歩道で寝込んでいた男性を保護していた警官らをはねて負傷させたとして、危険運転致傷罪に問われた38歳の男に対する判決公判が14日福岡地裁で開かれた。裁判所は懲役3年6か月の実刑を命じている。

問題の事故は2013年9月8日の午前2時30分ごろ発生している。春日市桜ケ丘2丁目付近の県道(片側1車線の直線区間)で、酔い潰れて歩道上に倒れこんでいた男性を介抱していた警官や通行人に対し、路外逸脱して歩道に乗り上げてきた乗用車が衝突。歩道上の4人が重軽傷を負った。

クルマは低い速度で衝突してきたが、衝突後もアクセルを踏み続けるなど、運転していた37歳(当時)の男には異常な行動が見られた。事故直後の聴取では「歩道に人がいることに気づいたのは衝突直前だった」などと供述していたが、後の調べで運転前に脱法ハーブ(5F-QUPIC)を吸引していたことが明らかになり、事故当時は薬物の影響で正常に運転できる状態ではなかったと判断。検察は危険運転致傷罪で起訴していた。

14日に開かれた判決公判で、福岡地裁の村上典子裁判官は、被告が事故の約2年前から脱法ハーブを吸引していたことを指摘。「その危険性を認識していながらクルマの運転を行い、事故を起こしたことは厳しい非難に値する」として、被告に対して懲役3年6か月の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース