7月18日から営業運転を開始する東京モノレールの新型車両10000形。大型の荷物置き場を設置するなど空港アクセスとしての機能のほか、初採用の17インチ液晶ディスプレイ、日本の伝統的な図柄を採用した座席など、内装も従来の車両から一新された。
【座席】
クロスシートとロングシートの組み合わせで、いずれも各席の背もたれが独立したセミバケットシート。中間車は海側(浜松町駅に向かって右側)がクロスシート、反対側がロングシートとなっている。この配置は、ロングシートの乗客が眺望のよい海側を向いて座れるようにしたためという。クロスシートのピッチ(間隔)は2000形と比べ10cm広い56cmで、出入りが楽になった。
シートは一般の席が青、優先席が緑色で、柄はインテリアのコンセプトである「『和』のおもてなしを演出するデザイン」として、波を表す日本の伝統的な文様「青海波」をあしらっている。
【新機軸】
従来車にあった外側向きロングシート端の荷物置き場に加え、各車両の窓側1カ所に大型の荷物置き場を設置した。各ドア上には日・英・中・韓の4言語表示に対応する17インチワイドディスプレイを1基設置している。各車両間の貫通路ドアはガラス製で、五重塔や富士山、扇子などの柄を散りばめている。車内照明にはLEDを採用し、従来車と比べ消費電力を35%削減した。
7月15日に行われた試乗会の参加者からは「車内が明るい」「開放的」といった声が多数出ていたが、窓の大きさは従来車の2000形と特に変わっていないという。東京モノレールの中島信哉取締役技術・企画部長は「床をなるべくフラットにしたことと、座席の下が空いている(従来車は機器類などがあり埋まっていた)という点で開放感があるのではないか」と話していた。
10000形は「空港利用者を意識し、50年間たくわえたノウハウを活かした車両」(中島氏)。7月18日から羽田空港アクセスの新しい顔として営業運転を開始する。