製糖国内最大手のMSMマレーシア・ホールディングスは国際的な粗糖の取引事業への参入を計画している。ニュー・ストレーツ・タイムズが報じた。
フェルダ・グローバル・ベンチャーズ・ホールディングス子会社のMSMマレーシアはアラブ首長国連邦ドバイで独自の取引会社を設立し、向こう6年で世界の製糖業界上位3位に入ることを目指す。
シェイク・アワブ・シェイク・アボド社長兼最高経営責任者(CEO)によると、会社設立後は欧州の砂糖取引企業を買収して取引量の増加を図る。買収のターゲットとしている企業の年間取引量は700万トンで、そのうち580万トンが粗糖、残りが白砂糖となっている。
MSMは砂糖を世界の市場に向けて輸送するためのチャーター船の取得も計画している。また、6500万リンギ、8000万リンギの投資を行ってマレーシアにおいてサイロと倉庫の建設を行う計画もたてており、来年初頭には完成する予定だ。
MSMマレーシア・ホールディングスは5月、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに拠点を置くアル・ハリージ・インターナショナルと共同で、ジョホール州タンジョン・プレパスにおいて製糖工場と物流コンプレックス、船舶ターミナルを建設する計画を発表、事業提携に関する了解覚書(MoU)を締結した。製糖工場の年間生産能力は200万トン。建設コストは7億9600万~8億6100万リンギとなる見込み。合弁事業への出資比率はMSMが51%、アル・ハリージが49%となる。
MSMはペルリスとペナンの2カ所を含めて4カ所で製糖工場を運営している。合計の年間生産能力は125万トンで、国内の砂糖市場の60%を占めている。