スバルのデザイン、「センスを数値化する」ツールで開発を効率化

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スバル ヴィジヴ 2 コンセプト(参考画像)
  • スバル ヴィジヴ 2 コンセプト(参考画像)
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6月25日から27日に開催された「第22回3D&バーチャルリアリティー展」専門セミナーにて富士重工業、商品企画本部デザイン部難波治氏が「スバルデザインにおける3D・VR技術の活用について」と題した講演をおこなった。

スバルは拠点・人手の不足などの課題を様々なデジタルツール・VR技術活用によってカバーしようと試みている。その一例として同講演では「スバルの特徴的なVR活用」とされる市場標準モデルが紹介された。

市場標準モデルは、もともとデザイナー間での感覚的な説明を、数値をもって論理的に話せないか、というニーズから作られたツール。いまでは「開発における強い味方」となっているという。

市場標準モデルとは、市場にある様々な車種の形状のうち、デザインへの印象への影響が強い、上位70%のポイントを選点しサンプリングする。この300ポイントにも及ぶサンプル採取から得られた点の平均座標をとり、平均座標に対し、さらに年度販売実績値をもとにした(30万台数は0.30、4万台数は0.04など)係数をかけて補正して得られる座標からつくられるモデル。

市場標準モデルをベースに、スバル独自の考えを織り込んでいき、実際の量産車と比較し特徴をとらえていく。また各市場における標準形の特徴例や、経年から読む将来予測なども、得られるのだという。

難波氏は「VR技術によって可能となるシミュレーションが、価値観に形を与えて開発中の比較対象になる。可視化された価値観を、開発だけでなく全社の各部門に共有することで、可能な限り間違いのない判断ができるようにしたい」と語った。

《北原 梨津子》

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