ハイブリッド車の販売で、世界をリードするトヨタ自動車。同社が米国において、廃車となったハイブリッド車のバッテリー(二次電池)を、ユニークな方法で再利用する取り組みを開始する。
これは6月4日、トヨタ自動車の米国法人が明らかにしたもの。廃車となった初代『カムリ・ハイブリッド』のニッケル水素バッテリーの再利用方法を発表している。
カムリ・ハイブリッドのバッテリーが、第二の使命を与えられるのは、米国のアイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州にまたがるイエローストーン国立公園。この雄大な自然に包まれた国立公園に1907年に建設されたロッジ、「Lamar Buffalo Ranch」の非常用電源に、活用されることが決定した。
208台の初代カムリ・ハイブリッドから取り外されたニッケル水素バッテリーは、トータルの蓄電容量が85kWh。トヨタによると、これだけの容量があれば、ロッジの5つの建物の非常時の電力を賄えるという。
また、ソーラーパネルと小型のタービンを使い、太陽光から得られた電力をニッケル水素バッテリーに蓄える。トヨタは今秋から、このシステムをロッジに設置し、再利用に適するかどうかの確認を行う計画。
初代カムリ・ハイブリッドは、8代目カムリをベースに開発され、2006年春に米国で発売。2.4リットル直列4気筒ガソリンエンジンにモーターを組み合わせ、米国EPA(環境保護局)燃費は、市街地43マイル/ガロン(約18.3km/リットル)を実現していた。