育ての親に会おうと自暴自棄、バスジャックした男を逮捕

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11日午後10時ごろ、宮崎県都城市内を走行中の高速路線バスが刃物を所持した男に乗っ取られる事件が起きた。バスは乗客乗員4人を人質に取った状態でえびの市内まで戻ってきたが、男は12日未明に突入した警官によって監禁の現行犯で逮捕されている。

宮崎県警・捜査1課によると、バスは午後9時すぎに宮崎市内を出発して都城市内に向かっていたが、宮崎自動車道・都城インターチェンジ(IC)付近を走行していた午後10時ごろ、文具用のハサミを持った男が37歳の男性運転手に対して「えびのまで戻れ」と要求。乗客に対しては「前方の座席に移動しろ」と命じた。男はさらに「警察に通報しろ」と命じ、これ従った乗客の女性が自分の携帯電話で110番通報。男は途中で電話を代わり、県警のオペレーターに対して自らバスジャックしていることを宣言した。

その後、バスは都城ICを出て折り返し、宮崎道をえびの方向に走行したが、男の要求に従って途中の高速バス停で乗客の母子(47歳女性、10歳男児)を解放。日向高崎パーキングエリアでさらに女性客4人を解放。残る3人の乗客(26歳男性、19歳と27歳の女性)を人質に取ったままえびの市内に入り、午後10時50分すぎにえびのIC近くのコンビニエンスストア駐車場に入った。

男は警察の説得に応じず車内に立てこもっていたが、12日午前1時すぎに運転手が「トイレに行きたい」と申告。この際に警察が突入して男の身柄を確保。監禁の現行犯で逮捕した。人質となっていた乗客乗員にケガはなかった。

逮捕されたのは45歳の男で、聴取に対しては「えびの市内に住む育ての親に会いたかった。騒動になれば会ってくれると思った」などと供述しているようだ。警察では男を厳しく追及。事件に至った経緯を詳しく調べる方針だ。

《石田真一》

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