シンフォニアテクノロジー、EV向けインホイールモーターで本格市場参入…2017年度に20億円の売上を目指す

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シンフォニアテクノロジーのインホイールモーター
  • シンフォニアテクノロジーのインホイールモーター
  • 同社のインホイールモーターを採用したFOMMコンセプトONE

シンフォニアテクノロジーは、小型EVや超小型モビリティ向けのインホイールモーターの市場に本格参入すると発表した。

同社のインホイールモーターは、2014年2月に発表されたFOMM社の『FOMMコンセプトONE』に初採用されている。FOMMコンセプトONEに搭載されている同社製インホイールモーターは最高出力5KWで最大トルク280Nmの性能で、左右の前輪のホイール内部にそれぞれ内蔵されて直接前輪を駆動する。

インホイールモーターとは、ホイールに内蔵した電気モーターの総称で、動力の伝達効率、応答性に優れている。モーターを4輪それぞれに装着すれば4輪すべてを独立制御でき、さらに、ギアや駆動軸などによる損失を無くせる。高効率で応答性の高い走りが可能で車体設計の自由度が向上するほか、コンパクトで室内空間を拡大できる利点もあり、電気自動車や燃料電池車の駆動モーターとして期待されている。

同社では1917年の創業当時から産業用モーターを製作し、1930年代には電気バスや電気乗用車を製作、販売していた経緯がある。また、早くから高効率のダイレクトドライブモーターを製品化し、あるいは産業車両用には高効率モーター、インバータを量産した技術的蓄積がある。今回、これらの技術を応用することで、短期間で今回初採用されたインホイールモーターの開発が可能になった。

超小型EVモビリティは、既に法規制が確立しているヨーロッパでの普及が期待でき、法規制整備が進んでいる日本でも、地方自治体と各メーカーが各地で実証試験を行うなど、普及に向けての動きが活発化している。また、排ガスによる大気汚染などが懸念される中国・東南アジアをはじめ、高成長が期待できる市場だという。

同社は、このような市場動向を判断して、今回の本格市場参入を決定し、電気自動車向けの分野で、中期計画の最終年度である2017年度には20億円の売上達成を目指している。

同社は、1917年創業で、三重県鳥羽市の旧鳥羽造船所の電気機器製造部門を起源とし、神戸製鋼所の関連会社である神鋼電機として1949年に設立された。2002年には、家庭用写真プリンターを生産し、一般家庭への普及を狙った風力発電機等の新商品開拓にも意欲的だ。2009年4月1日より現社名に変更。「シンフォニア」とはイタリア語で「交響曲(シンフォニー)」の意味。コーポレート・ステートメントは、「響いてこそ技術」。環境ステートメントは「ECOing」。

《山内 博》

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