日本自動車工業会の豊田章男会長は3月20日の記者会見で、自動車メーカー各社の今期(2014年3月期)業績が総じて好調となることについて「(円高の修正などによる)追い風参考記録」との慎重な見方を示した。
現時点の今期業績予想では、乗用車メーカー8社のうちトヨタ自動車など5社が連結純利益で過去最高を更新する見通し。ほぼリーマン・ショック前の2008年3月期のレベルに戻しつつある。各社とも円高への抵抗力など、収益力は着実に強化されているものの、豊田会長は「まだまだ。今後、持続的な成長力を付けうるかどうかで評価されると思う」と述べ、外部環境にも揺るがない体力づくりには一段の取り組みが必要との考えを示した。
一方で、国内生産の維持方針に関連し、リーマン・ショックや超円高、東日本大震災などに見舞われながらも「各社は血のにじむ努力をしながら体質を強化して雇用を守っている」とも、評価した。