大規模リコール(改修・無償修理)問題で揺れる米国の自動車最大手、GM。同社のトップが社員に向けて、異例のメッセージを発している。
このリコールは2月14日、米国NHTSA(運輸省道路交通安全局)が発表したもの。GMが過去に販売した車両のイグニッションキーの不具合が原因で、走行中にエンジンが停止。この状態で衝突事故が起きた場合、エアバッグが展開せず、乗員が負傷するリスクがあるとしていた。
当初、リコールの対象は、約78万台。ところが2月25日には、GMはリコールの対象車種の拡大を発表。約162万台にリコール台数は膨らんだ。また、この不具合による事故で、13名が死亡したことも公表。3月13日、米消費者団体の「センターフォーオートセーフティー」が公表したデータによると、死者が303名に上るとの見方も出ている。
GMの社内では、今回のリコール問題による動揺が、社員の間で広がっている。そこで3月17日、GMのメアリー・バーラ新CEOは、社員に向けて異例のメッセージを発した。
バーラ新CEOはこのメッセージの中で、「顧客からの車両に対する不具合の報告データを、改めて早期に見直すよう指示した」とコメント。さらに、3月17日に発表した3件155万台のリコールに関しては、「GMの安全性重視の姿勢を示し、顧客の不安を解消するものだ」と語っている。