メルセデスベンツは1月29日、麦わらクズなどの農業廃棄物から生成したバイオ燃料をガソリン車の燃料として使用することに成功したと発表した。
同社は、従来から化学会社の「クラリアント」や「ハルターマン」と共同で第2世代のバイオ燃料の研究を続けており、今回の成功で再生可能な資源から自動車燃料を抽出する事業の実現に一歩近づいたことになる。
今回、開発されたガソリン車用燃料は『sunliquid20』と名付けられており、20パーセントのセルロース系エタノールを含んだガソリン車用燃料だ。sunliquid20のエタノールは、たとえば麦わらのような農業廃棄物を原料に製造されたものだ。
今後12ヶ月にわたって、メルセデスのテスト車はシュツットガルトの同社施設内に設置されたガソリンスタンドで、sunliquid20の給油を受け、テスト走行を続ける、という。sunliquid20は、100以上のオクタン価(RON)があり、燃費効率の高さを保証できる。
ダイムラーAGのエンジン・燃料噴射担当ディレクターであるピーター・リューカート氏は、「20パーセントのエタノールを含んだsunliquid20は、最新のメルセデス・ベンツの『Blue Directガソリンエンジン』で使用できる。この組み合わせは、最高の効率と大きな温室効果ガス削減をもたらすことができる。」「2020年には麦わらのお陰で原油需要を最大25パーセント削減することができる」とコメントした。
日本でも、数年前にホンダが木質系廃棄物から効率よくエタノールを抽出するための触媒を開発したり、JA全農が稲わらを原料としたエタノール製造プラントを設置しており、非食料系の原料からエタノールを製造するための技術開発が活発になっている。