カンタス、アバロン空港整備施設閉鎖

航空 企業動向

いよいよ747型機整備を海外に移転

 1月21日、カンタス航空は、「ボーイング747型機の整備をオーストラリア国内で続けることは経済的に無理がある」として、3月にメルボルンのアバロン空港にある重航空整備施設を閉鎖し、今後退役していく同型機の整備を海外に移転していく意図を明らかにした。

 同社は昨年末近くに、アバロンの航空整備施設を閉鎖し、53人の正社員と246人の短期契約者を解雇する計画を発表していた。同時に、整備はブリスベン、シドニーまたは海外に移転する可能性をほのめかしていたが、21日の発表で、ブリスベン、シドニーへの移転もありえないことになった。

 全豪航空整備士組合(ALAEA)のスティーブ・パービナス氏は、「会社の決定は残念だが予想していたことだ。カンタスはいずれ整備作業を海外に移すことになると知っていたはずだ。しかし、これまで同社の労働者に対しては整備施設をブリスベンに移し、人員をそちらで再雇用するものと思わせ、ALAEAのメンバーもブリスベンで再び働けるようになると信じ切っていた。しかし、今日の発表ですべてむなしい期待だったことが明らかになった。彼らはセンターリンクで仕事探しを始めなければならないと悟った」と語っている。

 カンタス航空は、海外資本を導入してマーケティングを強化することを検討し、同社の海外資本所有率を49%に制限する「Qantas Sale Act」を改定するよう政府などと交渉してきた。同社は、「海外資本所有率制限のため、バージン社のようなライバル企業と競争することも難しい立場に置かれている」としていた。また、トニー・アボット保守連合政権は、「カンタス社の要求は理不尽とはいえない」として、制限を引き下げるか取り払うこともほのめかしていた。

 2013年12月、同社は莫大な損失を予想していると発表し、1000人近い社員を解雇し、賃金凍結しなければならないとしていた。(NP)

《Nichigo Press》

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