2014年1月21日、ベルギーのスペースベル社は、2017年に打ち上げを予定しているベトナムの地球観測衛星「VNREDSat-1b」の開発を行う契約に正式に調印したと発表した。
VNREDSat-1bは、2013年にESAが小型ロケット・ヴェガで打ち上げたVNREDSat-1aに続いて、2017年に打ち上げを予定している地球観測衛星だ。ESAの「PROBA(プロバ)」衛星をベースにしており、ハイパースペクトルセンサーを搭載して、太陽同期軌道で5年の運用を予定している。ハイパースペクトルセンサーは物質の特徴を示すデータを幅広く取得できる観測機器で、森林伐採や河川や海上汚染の監視、洪水の監視、農業や漁業への応用、気候変動の解明などが期待されている。
スペースベル社はベトナム科学技術院とともに衛星開発を行い、衛星画像の解析技術者養成にもあたる。契約金額は6000万ユーロ以上となる。
地形や気候が複雑で自然災害も少なくないベトナムでは、地球観測衛星を活用した災害監視や農業へのニーズが高い。日本からの円借款を利用して首都ハノイ近郊に宇宙センターを建設しており、日本のメーカーも参加して2017年以降に小型レーダー地球観測衛星2機を開発、打ち上げる予定となっている。