今年8月、福岡県赤村内の県道でワゴン車を高速度で走行させた際に対向車との衝突事故を起こし、2人を死亡させたとして危険運転致死罪に問われた39歳の指定暴力団員の男に対する裁判員裁判の判決公判が18日、福岡地裁で開かれた。裁判所は懲役8年の実刑を命じている。
問題の事故は2013年8月12日の午前9時25分ごろ発生している。赤村赤付近の県道(片側1車線の緩やかなカーブ)を高速度で走行していたワゴン車がカーブを曲がりきれずに対向車線側へ逸脱し、対向の乗用車と正面衝突。乗用車は路外に弾き飛ばされて大破。乗っていた女性2人が死亡した。
ワゴン車を運転していたのは北九州市小倉北区内に在住し、当時は指定暴力団に所属していた39歳の男。現場の速度は50km/h制限となっていたが、男は114km/h以上の速度で走行。検察は「制御困難な高速度走行だった」として、危険運転致死罪で起訴していた。
18日に開かれた裁判員裁判の判決公判で、福岡地裁の松藤和博裁判長は「事故当時、被告は制限速度の2倍以上となる著しい高速度で走行し、屁本件事故を起こした」と認定した。
その上で裁判長は「現場の道路状況と事故当時の速度を勘案すると、曲がりきれずに対向車線へはみ出すことは避けられず、危険な運転というほかない」と指摘。「何の落ち度もない2人を死亡させた結果は重大」として、被告に懲役8年の実刑判決を言い渡している。