アリアンスペース社は、日本時間12月19日午後6 時12分、仏領ギアナ・ギアナ宇宙センターから行われたESA 欧州宇宙機関の位置天文衛星『ガイア(Gaia)』打ち上げに成功したと発表した。
打ち上げから42分後、ガイア衛星は予定通りソユーズロケットから切り離され、欧州宇宙運用センターは衛星の搭載機器軌道を確認した。88分後には太陽電池からの電源供給を確認している。現在はL2ラグランジュ点への飛行を続けており、打ち上げからおよそ20日後(2014年1月8日ごろ)に目的の軌道へ入る予定だ。その後は、4か月ほどかけて機器の起動と確認など観測に向けた準備を行う。
ガイアは1989年から1993年にかけてESAが運用した観測衛星ヒッパルコスの後継機で、ヒッパルコスの50倍の天体カタログを収集する予定。5年間で10億個の天体の位置、距離、動き、スペクトルなどの観察を行い、極めて精度の高い天体地図を作成する。銀河の構造、形成、進化の歴史を明らかにするとともに、太陽系外惑星、太陽系、外系銀河及び基礎物理の研究への大きな貢献が期待されている。
アストリウム社が設計と製造を担当した衛星には2方向を観察するための2つの望遠鏡から構成されています。同一の焦点面を持つ、恒星の位置角を測定する天体位置観測装置、恒星のスペクトルを取得する分光測定装置、高解像度のスペクトルを取得し恒星の角速度を測定する高度測定装置、の三つの科学観測装置を備えている。観測は太陽・地球系のL2ラグランジュ点で行う。ラグランジュ点では太陽と地球が作る重力場と遠心力が均衡しており、第3の物体が太陽と地球を結ぶ軸に対して不動のままでいることができる。衛星と地球の公転周期が等しくなるため、衛星が同じ位置に留まり続けることができ、効率的な観測が可能となる。
ガイアは1985年7 月に初の科学衛星『ジオット(GIOTTO)』 をアリアン1 で打上げて以来、アリアンスペースが打上げる40機目のESAの衛星で、科学衛星では25 機目となる。ギアナ宇宙センターから6度目のソユーズの打ち上げともなる。