火星 横たわる化石のような硫酸塩の山 欧州火星探査機が撮影

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火星 横たわる化石のような硫酸塩の山 欧州火星探査機が撮影
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DLR ドイツ宇宙機関は、欧州の火星探査機『マーズ・エクスプレス』が2013年11月4日に撮影した硫酸塩の山の画像を公開した。

火星にはかつて水が流れていた痕跡を示す地形が存在することがわかっている。ESA 欧州宇宙機関が2003年に打ち上げた火星探査機マーズ・エクスプレスは、Juventae谷で石膏、アラバスター、キーゼライトなどの鉱物を含む硫酸塩の堆積物が形作った山の画像を公開した。

火星の緯度・経度で南緯4度、東経298度のJuventae谷は火星の大峡谷、マリネリス峡谷の中心部から北東に数百キロの場所にあり、東西方向に150キロメートル、南北方向に250キロメートルほど広がっている。Juventae谷には「Mound B」「Mound C」と呼ばれる二つの山が存在する。大きい方のMound Cは幅20キロメートル、長さ53キロメートル、裾野からの高さ3300メートルほどになる。山頂の峰は、風で浸食された痕跡が残っており、比較的柔らかく、浸食されやすいと考えられる。

Mound B、Mound Cは水平に重なった層を見せており、マーズ・エクスプレスの「OMEGA」スペクトロメーターとNASAのマーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された「CRISM」、二つの金赤外センサーによって層状の硫酸塩鉱物であることが確認された。火星でこうした硫酸塩の層が現れたプロセスはまだ明確にわかっていないが、氷に覆われた山が噴火によって氷が解け、硫酸塩鉱物を形成した、または水がたまっていた場所で硫酸カルシウムが沈降したとの説もある。細かいほこりや灰が火星表面の氷の上に降り積もった可能性もあるという。

画像は探査機に搭載の高解像度ステレオカメラ(HRSC)が撮影したもの。画像の解像度は1ピクセルが16メートルほどになる。DLRでは、Juventae谷周辺図、谷を真下に見下ろした画像、Mound Cを斜め上空から見た画像、立体視画像、地形モデルの5点を公開している。

《秋山 文野》

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