【JALの心臓部 OCCに潜入】真価を発揮するのはイレギュラーな事態の発生時

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日本航空(JAL)の本社内にある「オペレーションコントロールセンター(OCC)」は、日常の運航でも重要な役割を果たしているが、その真価を発揮するのは「イレギュラーな事態が発生したとき」といえる。

とはいえ、「イレギュラーな事態」には大きなものもあれば、小さなものもある。JALでは「その事態が発生したことにより“何か”を変えたり、“何か”を変える決断をしなくてはならないもの」をイレギュラーな事態としているという。故障による機材の変更や、空港でのトラブル、機内での急病人発生などがそれにあたる。

その「イレギュラーな事態」が発生した場合には各部署が連携して対応・対処することになるが、この際にOCCで陣頭指揮を取るのが「ミッションディレクター」と呼ばれる人だ。運航統制について社長から権限を委譲されており、運航に関した権限はJALの中でも最強となる。JALには現在8人のミッションディレクターがおり、交代でその任に当たっている。

OCCには国内線と国際線の運航管理を行う部署のほか、機体運用を管理する部署、乗員のスケジュールを管理する部署、整備部門、顧客サポート部門が1フロアに集約されているため、緊急事態であっても情報の共有や、事態に対処するための初動体制の確立がしやすいという。事態発生の第一報から15分以内に情報を収集し、対処することを目標としている。

例えば、従来は部署間で電話連絡していたものが、同じフロアなら直接出向いて話ができるようになり、相手の顔(表情)も見えることから状況も伝わりやすい。乗員のスケジュールを管理する部署や、整備部門も交えて話ができるため、機材変更や乗員の調整が以前よりも円滑に行えるようになったそうだ。また、顧客サポート部門からもただちに情報が発信できる体制が構築されており、Webサイトへの反映も大きなタイムラグなく行える。

取材中、羽田空港でバードストライク(航空機と鳥の衝突)が発生し、安全点検のために滑走路が一時閉鎖するという情報が流れた。JALの航空機が巻き込まれたトラブルではなかったが、OCC内に事態発生を知らせる放送が流されると、その場にいたスタッフは作業の手を一瞬止めて放送に聞き入っていた。JAL機が巻き込まれたものであれば、ただちに対応しなくてはならないので当然といえるが、放送が流れた瞬間のピリッとした空気感には頼もしさも感じた。
《石田真一》

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