阪急電鉄は11月8日、同社が導入を計画している新型車両の1000・1300系のうち、1000系がこのほど完成したと発表した。11月28日に出発式を実施し、神戸線で営業運転を始める。
1000系は2006年から神戸・宝塚線に導入されている9000系に続く新型車両。モーターには熱損失を低減し密封が可能になった全閉式高効率主電動機を採用し、車内の騒音レベルを9000系より約4dB低減する。また、低騒音型の駆動装置や、車輪の平らな傷(フラット)の発生を防止する機能が付いたブレーキシステムも採用し、さらなる騒音の低減を図る。
消費電力は全閉式高効率主電動機と新型のVVVFインバーター制御装置の採用、全ての照明機器のLED化により、9000系に比べ約20%削減する。9000系以前の車両と比べると約50%の削減になるという。
車体は9000系と同じアルミダブルスキン構造を採用し、さらに車体正面の強度向上のためダブルスキン部の拡大や梁(はり)の追加なども行った。外観塗色は従来通りマルーンとアイボリーだが、前照灯を一体的に見せることで「すっきりとした印象を与えるデザイン」にしたという。
車内は急ブレーキをかけた際の乗客同士の衝突を防ぐため、座席端部仕切りを大型化するとともに握り棒を設置。角張った部分を極力減らして安全性に配慮する。車内案内表示装置は32インチハーフサイズの大型液晶ディスプレイを採用した。
営業運転は11月28日から開始。当日は9時50分頃から梅田駅9号線降車ホームの神戸方で出発式を行う。9時55分に1000系8両編成1本が同駅に入線し、担当運転士への花束贈呈とテープカットを行った後、10時に新開地行き特急として発車する。