日立造船など、海底設置型フラップゲート式可動防波堤実海域試験「ほぼ期待通りの成果」

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日立造船、海底設置型「フラップゲート式可動防波堤」の実海域試験の結果を公表
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日立造船と東洋建設、五洋建設は、海底設置型フラップゲート式可動防波堤実海域試験の結果をまとめた。

「フラップゲート式可動防波堤」は、海底に1列に配置した扉体を、浮力を利用して旋回起立させることで、連続した防波堤を形成する可動式の構造物。設置目的によって背後域の水位変動抑制を目的とする津波・高潮防波堤と、背後域の静穏度向上を目的とする波除堤の2種類に分類される。

施設は、平常時は海底倒伏しているため、船舶航行・海水交換を阻害せず、周辺景観への影響が僅か。自然の力を有効利用した構造・機構の採用により、安価な防御施設を実現している。また、扉体浮力等の常時監視により施設状態を見える化した。

3社は2011年3月から2013年3月まで、新焼津漁港(静岡県焼津市)に、海底設置型「フラップゲート式可動防波堤」の実海域試験を行ってきた。

試験では2種類の可動構造物を1ユニットとして製作した試験装置により、それぞれの基本特性について実海域で確認した。2年間にわたる実海域試験で扉体倒伏格納時の安定性や基本動作(浮上・倒伏)特性と操作性、保守管理性と状態監視の有効性などを確認したところ、基本機能と信頼性についてほぼ期待どおりの結果が得られたとしている。

3社は、次に来襲する津波被害を軽減するため、今後、技術が広く活用されることを目指していく。

《レスポンス編集部》

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