【新聞ウォッチ】ゲームショウ開幕の日に伝わった任天堂「中興の祖」の訃報

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。


2013年9月20日付

●首相5・6号機の廃炉要請、福島第一、東電、年内に結論(読売・1面)

●山内溥氏死去 任天堂育ての親、ファミコン発売(朝日・1面)

●インドネシア小型車過熱、日本勢の牙城税優遇で各国攻勢(朝日・8面)

●ガソリン値下がり、11週ぶり、シリア攻撃回避で、161円20銭(毎日・2面)

●TPP2段階合意検討、貿易円滑化を先行、関税など年内 (産経・1面)

●メキシコ生産車、欧州へ、マツダ小型車、為替リスク抑制、来年にも(日経・11面)

●車取得税廃止せず消費税10%なら、自工会「国内経済に悪影響」税制見直し要請 (日経・13面)

●車メーカー首脳が授業、自工会 (日経・13面)

●トヨタ、アルゼンチン工場増強、年産14万台に (日経・13面)


ひとくちコメント

同じ週に「中興の祖」と呼ばれた日本を代表する名経営者の訃報に接し、ただ驚くばかりである。家庭用ゲーム機をヒットさせた任天堂の山内溥相談役が肺炎のため死去した。

若い人には9月17日に100歳の天寿を全うしたトヨタ自動車最高顧問の豊田英二氏よりも、「世界のニンテンドー」を築き上げた山内氏のほうがなじみ深いかもしれない。

改めて説明するまでもないが、山内氏は、家業の花札やトランプ、カルタを製造する京都の中小企業だった任天堂を、1983年に発売した「ファミコン」の大ヒットによって一代で世界的なゲーム機メーカーに成長させた。山内氏の名前を知らなくても「スーパーマリオブラザーズ」や「ゲームボーイ」なら知らない人はいないだろう。

山内氏は、2002年に経営の第一線を退くまで半世紀も社長を務めたが、その経営哲学に「無借金経営」があった。「融資を打ち切られたら終わりというのは相手に生殺与奪の権利を握られている。自分が生きるか死ぬかを決めてこそ経営者」として信念を貫いた。

家業だった当時の任天堂は資金繰りに苦労して、銀行から融資を受けたものの、その返済に四苦八苦するという苦い経験から「将来、カネだけは借りない」と固く誓ったという。その意味では、ムリ、ムダ、ムラを排除した豊田英二氏と相通ずることがある。

山内氏の訃報が伝わった19日は、折しも世界最大級のゲーム見本市「東京ゲームショウ」の開幕の日でもあった。浮き沈みの激しいゲーム業界の若手経営者にも、娯楽の本質を提供し続けた「生涯、娯楽屋」の経営の神髄を伝えたかったようにも思える。
《福田俊之》

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