ANAグループ、運航計画を変更、北米~アジア路線のネットワーク拡充

航空 企業動向

全日本空輸(ANA)グループは、2013年度下期の国際・国内線航空輸送事業計画の一部を変更した。

同社グループでは、今年度の羽田空港国内線発着枠の増加と2014年度に迎える首都圏空港発着枠拡大を最大活用し、既存の日系エアラインに加えアジア・欧米・中東の大手エアライン、事業規模を拡大するLCCとの厳しい競争環境の中で勝ち残るため、フルサービスキャリアとしてサービスの充実・強化を図り、更なるネットワーク拡充によって競争力を強化する。

国際線では、2014年度に迎える羽田空港国際線2次増枠に向けた基盤作りを実施していくとともに、北米路線の増便によるネットワーク強化にあわせて、アジア路線の供給量を拡大し、訪日需要とアジア~北米間の接続需要に重点を置き、ネットワークキャリアとしてのビジネスモデルの強化を進める。

同社では2012年度のシアトル線開設、ニューヨーク線増便、サンノゼ線開設、2013年9月1日からシカゴ線増便など、北米路線のネットワーク強化を図ってきたが、訪日需要と成田空港をハブとしたアジア~北米間の接続需要にに対応するため、2013年下期からアジア路線を中心に投入機材を大型化し、供給量を拡大する。

具体的には10月1日から成田~成都線の機材をB737-700からB767-300ER、成田~シンガポール線には現行機材のB767-300ERに加えてB787-8も使用する。成田~バンコク線は、10月27日から現行のB767-300ERに加えてB777-200ERを使用する。

また、10月27日から成田~上海線に投入しているB777-200ERを取り止めてB787-8を投入、関西~青島と関西~北京はB737-700からB767-300ERに変更する。羽田~シンガポール線はB767-300ERからB787-8ni変更する。羽田~ソウル線には現行のB777-300ERに加えB767-300ERも投入する。

2014年2月1日からは成田~ジャカルタ線をB767-300ERからB787-8、成田~北京線はB787-8の使用を取り止めて、B767-300ERのみで運航する。

10月27日から週7便で運航している中部~上海(浦東)は運休とし、週7便で運航している成田~成都は週4便に減便する。

一方、長距離国際線(欧米路線)にて運航しているボーイング777-300ERで好評なプレミアムエコノミーのシートプロダクト・サービスを、順次ボーイング787型機にも導入する。9月1日から、羽田~フランクフルト線でプレミアムエコノミーサービスを開始する。また、通常の運賃に加えて、10月1日からはプレミアムエコノミーをお得に利用できる運賃を、8月22日から期間限定で発売開始する。

国内線は、路線計画・運航機種の最適化を推進し、顧客の利便性を向上できるよう国内線ネットワークの充実を図っていく。長年ANAグループの主力機種として、幹線路線を中心に活躍したボーイング747-400型機は、2013年度末に全機退役する予定。

10月27日から羽田~広島線、羽田~徳島線、羽田~札幌線、伊丹~福岡線、伊丹~秋田線、仙台~札幌線をそれぞれ現行より1日1往復増便するほか、札幌~紋別線を1日1往復で再開する。

また、羽田~函館線、羽田~釧路線、伊丹~沖縄線、伊丹~仙台線をそれぞれ現行より1日1往復減便するとともに、羽田~紋別線を運休する。

このほか、7月から開始している日本貨物航空からのチャーター機材活用による機材稼働効率向上を、下期以降も引き続き実施し、収益基盤を強化する。2013年度末には、10機目となるボーイング767-300F貨物専用機を受領し、貨物事業の事業拡大を目指す。

《レスポンス編集部》

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