帝国データバンクは、女性登用に対する企業の意識調査を実施してその結果をまとめた。
調査は、製造業や卸売業など全国の企業3万社を対象に実施し、1万8598社から回答を得た。有効回答率は62.0%だった。
自社の従業員に占める女性の割合を聞いたところ「10%以上30%未満」と回答した企業は1万395社中、4455社と、構成比42.9%で最多となった。「10%未満」が20.9%、「30%以上50%未満」が19.2%で続いた。「0%(全員男性)」(2.5%)を合わせると、女性従業員割合が「30%未満」の企業が66.3%となった。
女性従業員割合を規模別にみると、「30%未満」は「中小企業」全体の64.5%に対して、「大企業」は72.3%となっており、従業員の女性割合は大企業の方が低いことが明らかとなった。ただ、「0%(全員男性)」は中小企業の方が多かった。
「30%未満」を業界別にみると、「建設」と「運輸・倉庫」が突出して高い。「50%以上」では「小売」は4割近くに達しており、各業界の特性が顕著に現れる結果となった。
自社の管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合を尋ねたところ、「0%(全員男性)」が47.6%で最多。「5%未満」(23.9%)、「5%以上10%未満」(9.6%)が続き、これらを合わせると、女性管理職が「10%未満」の企業は81.1%にのぼった。
特に「10%未満」を規模別にみると、「中小企業」が78.8%だったのに対して、「大企業」が88.7%と10ポイント近く高く、大企業における女性登用の割合が低い結果となった。「0%(全員男性)」では「中小企業」の方が多かった。
業界別では「農・林・水産」が97.3%で最も高く、「運輸・倉庫」(88.7%)、「建設」(85.8%)、「製造」(85.3%)が続いた。企業の約4割で女性従業員割合が半数を超えていた「小売」についても、女性管理職割合が「10%未満」の企業は67.8%と3社に2社にのぼっている。
自社の女性管理職割合は5年前と比較して、どのように変わったか聞いたところ、割合が「増加した」と回答した企業が1万0395社中、1748社で、全体の16.8%にとどまった。逆に「減少した」企業は4.3%、「変わらない」とする企業が72.1%と多数を占めており、7割以上の企業は過去5年間で女性の管理職登用に変化はなかった。
現在と比較して今後どのように変わると考えているか聞いたところ、割合が「増加する」と回答した企業は22.0%となり、5社に1社が女性管理職の割合が増えるとみている。また「減少する」(1.0%)、「変わらない」(59.7%)は過去5年間の結果と比較すると減少している。企業の約6割は、女性管理職の割合は変わらないとみているものの、女性の管理職登用については、拡大していくと考える傾向が強い。
今後「増加する」と考えている企業を規模別にみると、「大企業」が29.2%と「中小企業」の19.8%より9.4ポイント高い。現在、女性の管理職登用が進んでいない大企業でも、将来的に女性の管理職登用が進む可能性がある。