天井板撤去の準備工事で車線規制開始...中央道恵那山トンネル

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恵那山トンネルの換気方式は上下2本別々の方法になっている(『NEXCO中日本 飯田保全・サービスセンター管内概要図』から)
  • 恵那山トンネルの換気方式は上下2本別々の方法になっている(『NEXCO中日本 飯田保全・サービスセンター管内概要図』から)

6月20日から始まる天井板撤去工事の準備のため、中央道恵那山トンネル上り線で車線規制が始まった。月曜早朝~金曜夕方まで。撤去工事直前まで続く予定だ。工事の進捗状況によっては、土日に規制を行うこともある。

この車線規制は、恵那山トンネル上り線の天井に20台のジェットファンを取り付けるための工事。天井板撤去を実施するのは下り線トンネルだけだが、約1か月かかる工事で、上り線トンネルを工事期間中は対面通行にする。その換気能力強化のためだ。

1975年、恵那山トンネルは日本一の長さを誇り、現在も国内5位の長大トンネルだ。トンネルの換気は、車両が一方通行で同じ方向に走行するときに起きる空気の流れを利用する。

恵那山トンネルの上り線では、トンネル上部に作った縦坑を使って換気と送気を行う「縦流方式」のため、上り線トンネルを対面通行にすると、トンネル内の空気循環がうまく行われない恐れがある。その換気能力の低下を、天井に吊り下げた巨大な送風機であるジェットファンで強制的に行う。

ジェットファンの大きさは、直径1.5m×長さ4m。約8500mの長大トンネルであるが、一方通行であれば、これほどの台数は必要ではない。対面通行後は、この半数を下り線に付け替える。

天井板でトンネル上部に隔壁を作り、換気と送気を行っていた下り線トンネルは、トンネル横に平行して掘られた補助坑から新鮮な空気を送り込む「横流方式」だったが、天井板撤去後は、ジェットファンを使った換気方式に変わり、補助坑は使われなくなる。

《中島みなみ》

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