国際共同研究チーム、129億年前の初期宇宙に「最強スターバースト銀河」を発見

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「最強スターバースト銀河」を発見
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宇宙科学研究所の松原英雄教授をメンバーとする国際共同研究チームが、129億年前の初期宇宙に「最強スターバースト銀河」(maximum starburst galaxy)を発見した。

HFLS3と呼ばれるこの天体は、これまでに見つかった中で、最も古い最強スターバースト銀河で、宇宙が始まって以来、既にこの頃には激しい星形成活動が起きる環境が整っていたことを示している。今回の発見には、宇宙科学研究所が開発に関わったミリ波広帯域分光装置「Z-Spec」が大きな役割を果たした。

ビックバン後の宇宙の歴史の中で、いつ、どのようにして天の川銀河の中でスターバーストが始まったのかは、未だに解決されていない問題となっている。

コーネル大学、カルフォルニア工科大学などからなる研究グループは、ハーシェル宇宙望遠鏡によるサブミリ波サーベイで見つかった天体の中から、この波長帯での「色」を用いて非常に遠方にある、明るい銀河を選び出した。それらの天体をミリ波広帯域分光装置Z-Specや、複数の電波干渉計を用いて詳しい観測を行った。まず、数多くの分子輝線と原子イオンの微細構造輝線から、正確な赤方偏移を決定し、これらの輝線の強度から、銀河内にある星間物質の量を測定した。

この結果、銀河の一つが最強スターバースト銀河であることを発見した。

今回の発見は、宇宙初期の星形成活動の多様性を示す新たな証拠として、今後の研究の展開が期待される。

今回の成果は、英科学誌「ネイチャー」の2013年4月18日号に発表された。

《レスポンス編集部》

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