違法改造が多重衝突を招いた…被告に禁錮刑を求める

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昨年8月、佐賀県唐津市内の県道で大型トラックを暴走させ、8人を死傷する事故を起こしたとして自動車運転過失致死傷罪に問われた40歳の女に対する論告求刑公判が14日、佐賀地裁唐津支部で開かれた。検察側は裁判所に対し、禁錮4年6か月を求刑している。

問題の事故は2012年8月6日の午後3時45分ごろ発生している。唐津市神田付近の県道(片側1車線の直線区間)を走行していた大型トラック(タンクローリー車)が信号待ちをしていた軽トラックに追突。さらに暴走を続け、対向車線側で信号待ちをしていた車両8台などと次々に衝突するなど、車両9台が関係する多重衝突に発展した。この事故で最初に追突被害を受けた軽トラックの運転者が死亡。衝突被害を受けた対向側の7人が重軽傷を負っている。

警察はトラックを運転していた39歳(事故当時)の女を逮捕。女は事情聴取で「ブレーキが効かなかった」と主張していた。

これまでの公判で検察側は、ブレーキが効かなくなった原因を「エアブレーキの違法改造にある」と指摘。大音量のクラクションへ空気を導くゴムホースを増設するという違法な改造を行った結果としてブレーキ容量が低下したが、女はこれに気がついていながら事故を起こすまで約7か月に渡って放置していたことも明らかにした。

14日に開かれた論告求刑で検察側は「被告はブレーキ容量の異常に気がつきながら、これを長期に渡って放置。この結果として本件事故を起こしたもので、情状を酌量する余地はない」として、裁判所に対して禁錮4年6か月の実刑を求めた。

これに対して被告弁護側は「被告人には違法改造の認識が低かった。事故の際にも必死に車両を止めようとしていた」と述べ、情状の酌量を求めた。

判決公判は28日に開かれる予定だ。

《石田真一》

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