工事現場の交通誘導で死亡事故、警備員と運転者の初公判

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昨年1月、神奈川県川崎市麻生区内の市道で、徒歩で道路を横断していた3歳男児が乗用車にはねられて死亡した事件で、乗用車の運転者と、この乗用車に対して右折指示を行った警備員に対する初公判が21日、横浜地裁川崎支部で開かれた。両被告は起訴内容を認めている。

自動車運転過失致死罪で起訴されたのは、男児をはねたクルマを運転していた同区内に在住する55歳の男と、男のクルマに指示を出して事故を誘発したとされる平塚市内に在住する48歳の元警備員の女。

問題の事故は2012年1月13日の午前10時ごろ発生している。川崎市上麻生2丁目付近の市道で、母親の後に続いて徒歩で横断歩道を渡っていた3歳の男児に対し、交差点を右折進行してきた乗用車が衝突。男児は頭部を強打したことが原因で事故から約2か月後に死亡した。

現場の交差点に信号機は設置されていないが、事故当時は水道工事が行われており、警備員による交通誘導が実施されていた。クルマは交通誘導に従って交差点を右折したが、同じ警備員はこの直前、母子に対して横断可能の指示を行っており、双方への重複した指示・誘導が原因となって事故が発生したと判断。検察はクルマの運転者と警備員の双方を自動車運転過失致死罪で起訴した。

21日に開かれた初公判で2人の被告は起訴内容を認めた。続いて行われた冒頭陳述で検察側は被告の女について「乗用車を運転していた被告が交差点手前で停止すると軽く考え、母子に対しても横断の指示を行った」と指摘した。

また、被告の男については「被告の女が行った右折可能の合図に気を許し、前方注視や安全確認の義務を怠った結果として事故が起きた」と指摘している。

《石田真一》

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