シトロエンDSラインの中核を成すモデルとして、昨年日本に導入された『DS4』。当初は6速のMTと、同じく6速のEGSと呼ばれるシングルクラッチ式のロボATの2種のミッションしか用意されていなかったが、今年9月にようやくトルコン付きの6速AT、ようするに普通のATが追加された。
エンジンは162馬力とEGSモデルより6馬力アップされた仕様。走り出すとなんとも安心感のあるスムーズさ。EGSに限らずシングルクラッチのロボATは、シフトアップのタイミングでアクセルをゆるめるなど、独特な操作をしないとスムーズな走りができないが、さすがにこのATはそうした操作は不要。まったくもってイージーに走れる。
ミッションに差があるだけにエンジンのパワーアップ分はとくに感じることはできないが、相変わらず低速からしっかりとしたトルクを発生するエンジンで、どっしりとした走りが可能。あまり回して走るというセッティングではないので、ATとのマッチングはいい。
ATのトルク伝達にはダイレクト感があり、DSのスポーティな足まわりとのマッチングもよく、クルマ全体として軽快感のある走りを楽しめる。
ちょっと気を抜くとギクシャクしてしまうEGSよりも、こちらのATのほうがクルマとして見たときの完成度はかなり高い。価格的にもわずか1万円アップで済んでいるので、2ペダルのDS4はこちらがベストチョイスと言って間違いないだろう。
5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。