応答性、グリップに続いては、快適性についても3ブランドのタイヤでチェックしたので報告しよう。
快適性は大きくは2つの要素に分けられる。
そのひとつは音だ。タイヤが路面の上を走行するときに発する音で、溝を空気が通ることで発生するパターンノイズと荒い路面を通過するときにその振動が室内に伝わるロードノイズがある。パターンノイズはシャーという高めの周波数で、ロードノイズはゴォーという低めの周波数である。
快適性のふたつめは、振動・乗り心地である。日本ではソフトだと乗り心地が良いと評価されることが多いが、実際には身体が揺れないとか揺すられないのが一番良いことだと思う。もちろん路面の凹凸を通過したときの衝撃の強さや硬さなども重要なポイントになる。一度入力があってそのあとの収まり方も大事で、ブルブルといつまでも揺れているのも快適ではない。
ミシュランPilot Sport 3のパターンノイズは高い音が遠くで小さく聞こえる感じがする。ざらざらした路面を走ったときのロードノイズはうるさくないし、小さいので気にならない。どちらも耳障りな音になっていないので良いレベルである。
凹凸の当たりはソフトとはいえないが、あまり硬くは感じない。当たりの角に丸みがあるからだろう。ダンピングも良く、揺れの収まりは早いので、全体にすっきりした乗り心地でいい。
ブリヂストンECOPIA PZ-Xの快適性は、パターンノイズは小さく聞こえ難いので良い。ロードノイズというか、荒れた路面でのトレッド面が当たる音はやや高めの周波数で、これによりタイヤが硬いというイメージを持ってしまう。
乗り心地は小さな凹凸では当たりの角は丸みがあり良いが、大きな段差などではタイヤの芯の硬さが出てしまう。ダンピングは良いので揺れが残ることはない。
ヨコハマDNA S driveの快適性に関しては、パターンノイズもロードノイズも気になる音はほとんど出ていない。かなり優秀だ。
乗り心地は当たりがソフトでタイヤがたわんで吸収してくれているのが判る。それに連動して揺れがまろやかな感じになっていて良い。ダンピングも良いので揺すられる感じもないので快適だ。
■最後に
タイヤもそれぞれブランドやサイズによって味や特性が異なることがお判り頂けただろうか。このレポートを良くお読み頂き、自分のライフスタイルや走るスタイルに合わせて選んでいただけたら嬉しい。