意識障害でひき逃げの認識なし、検察が最終判断

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昨年12月、新潟県新潟市中央区内で発生した軽傷ひき逃げ事件について、新潟地検は6日までに62歳の男を自動車運転過失傷害罪で起訴した。事故当時、疾病による意識障害を起こしており、その認識が無かったとして、ひき逃げでの起訴は見送っている。

新潟地検によると、問題の事故は2011年12月15日の午前9時30分ごろ発生している。新潟市中央区川岸町2丁目付近の市道で、工事現場へ出入りする車両の誘導を行っていた63歳の男性警備員に対し、停止指示を無視して進行してきたタクシーが衝突。警備員は打撲などの軽傷を負ったが、タクシーはそのまま逃走した。

警察が周辺捜索を実施したところ、衝突痕のあるタクシーを発見。運転していた62歳の男を自動車運転過失傷害と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕したが、男は「事故と言われても覚えていない。車体の傷もよくわからない」などと供述。ひき逃げへの関与を否認していた。

その後の調べで、男は糖尿病を患っていたことが判明。事故当時は低血糖による意識障害を起こし、意識が朦朧とした状態で運転していた可能性が高いこともわかった。

検察では慎重に調べを進めていたが、「事故当時、男には事故を起こした認識そのものがなかった」と最終的に判断。ひき逃げの責任は問えないとして、自動車運転過失傷害罪でのみ起訴することを決めたという。

《石田真一》

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