世界中の自動車メーカーが、こうしたオープントップモデルに力を注ぐようになって久しい。しかし考えてみると高価な車種ばかりで、このクラスにはあまり美味しい選択肢がなかったことに、『ウインド』が発売されたことであらためて気づかされた。
300万円近くするのかと思ったら、255万円という価格設定にも値ごろ感がある。左ハンドルでMTのみというのが障壁になるかもしれないが、逆に、だからこそ欲しいという人も少なくないはずだ。
感心させられたのは走りの仕上がりだ。ルックスがとても可愛らしいので、雰囲気を楽しむためのクルマだろうとたかをくくり、走りについては、そのうち出るであろうルノー・スポール版に期待かと思っていたら、実はウインド自体の開発をルノー・スポールが手がけたという。
スペック的にも特筆すべきことはないし、基本はルーフのないボディだから、それなりに剛性不足や補強による重量増を感じるのではと予想していたのだが、ネガティブなことはほとんど感じられなかった。
開放感たっぷりのオープンエアドライブを楽しめる以前に、ウインドは一体感のある走りそのものがとても気持ち良かった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
岡本幸一郎|モータージャーナリスト
1968年富山県滑川市生まれ。学習院大学卒業後、生来のクルマ好きが高じて自動車メディアの世界へ。自動車情報ビデオマガジンの制作、自動車専門誌の記者を経てフリーランスへ。近年はWEB媒体を中心に活動中。「クルマ好きのプロ」として、ユーザー目線に立った視点と幅広い守備範囲を自負し、レスポンス試乗記には他媒体では諸事情により書きにくい本音も!?