三菱レイヨンの鎌原正直社長は14日、三菱ケミカルホールディングスの事業説明会で、同社が強みを持つ炭素繊維について「2015年以降になると、急速なスピードで伸びていく」という見方を示した。
世界の炭素繊維市場は2010年、3万トン弱。それが15年には7万トンに増えると推定されているが、鎌原社長によれば、それ以上になるとのこと。特に、自動車向けと風力発電向けが大きく伸びると見ている。
「いま最も期待しているのが風力発電向けで、非常に引き合いが増えている」(同)という。福島原発の事故により、再生可能エネルギーとして脚光を浴びているためだ。しかも、その設備は年々大型化しているという。
鉄の10倍の強度を持ちながら重さが4分の1という炭素繊維に注目が集まるのは自然の流れ。「われわれの強みは原料から加工品まで一貫生産を行っていること。その強みを生かし、これからは加工品分野で三菱樹脂とシナジー効果を出してやっていきたい」と鎌原社長は強調した。