看護師3人死亡事故、一審判決を破棄して禁固6年命じる

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2009年6月、神奈川県横浜市都筑区内で乗用車同士の衝突事故を起こし、看護師3人を死亡させたとして、自動車運転過失致死傷罪に問われた20歳の元少年に対する控訴審判決公判が24日、東京高裁で開かれた。裁判所は被告に禁固6年の実刑を命じている。

起訴状によると、問題の事故は2009年6月1日夜に発生した。横浜市都筑区茅ケ崎中央付近の市道を走行していた被告少年(当時18歳、現在は20歳)の運転する乗用車が赤信号の交差点に進入。対向車線側から青信号に従って右折してきたワゴン車と衝突。さらにスピンしながら道路左側の歩道に乗り上げ、信号待ちをしていた女性3人(当時31、43、49歳)をはねた。3人は全身を強打してまもなく死亡。右折車を運転していた41歳の男性も打撲などで全治20日あまりの重傷を負った。

被告側は「信号無視ではなく、看過(見過ごし)」と主張していたが、一審の横浜地裁は「被告は距離にして約100m。時間にして5秒以上の間、信号表示を全く確認しなかった」と指摘。事故数日前に右足を負傷していた被告が、事故当時は左足でペダル操作を行っていたことにも触れ、安全注意義務を怠ったと判断。被告に対して禁固4年以上5年以下の不定期実刑の判決を命じたが、被告側と検察側の双方が量刑不当を理由に控訴していた。

24日に開かれた控訴審判決公判で、東京高裁の村瀬均裁判長は「事故直前、被告は別のクルマに気を取られるなど、継続的に前方注視を怠ったまま、制限速度を20km/h超過する70km/hで走行していた」と認定した。

その上で裁判長は「被告は運転免許取得後わずか1か月あまりにもかかわらず、左足でペダル操作を行うなど過失は重大。不合理な弁解を繰り返しており、遺族への謝罪も不十分である」として、一審判決を破棄。被告に禁固6年の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

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